「髪は女の命」というフレーズがあるくらい、女性にとって髪は体の大切な一部です。世の中にはさまざまなヘアケア製品や情報があふれていますが、効果が確かなのか、あるいはウソか本当かわからない情報などもありますよね。効果を信じて実践していた薄毛対策が実は逆効果だったら、こんなに悲しいことはありません。
ここでは、よく耳にする噂について医学的観点からその真相に迫ってみます!
患者さまの美の強い味方となるべく、負担を最小限に抑えられる技術や最新のマシーンに目を光らせる日々。
患者さまと意思の疎通をきちんとはかり、ご希望にできるだけ近づけられるよう、カウンセリングを大切にしています。
「髪にいい」といわれるミネラルが豊富に含まれている昆布やわかめなどの海藻。しかしミネラルが直接髪や毛根に働きかけるということはありません。また、髪が生成される上で大切な成分なのは確かですが、他にもたんぱく質やビタミンなども必要であり、あくまでも成分のうちのひとつに過ぎないのです。
健康的な髪がつくられるために大切なのは、毛根に十分な栄養分が行き届くこと。毛根には「毛乳頭」と「毛母細胞」と呼ばれる細胞があり、毛乳頭が血管から酸素や栄養分を吸収すると、発毛へとつながる細胞分裂のシグナルを毛母細胞に送ります。つまりミネラル以外の栄養素もバランスよく摂取することが、健康的な毛髪を生成するのです。
また、髪はその80〜90%が「ケラチン」と呼ばれるたんぱく質で構成されており、16種類のミネラルのうち、たんぱく質の合成や新しい細胞の生成に深く関わるのが亜鉛です。積極的に薄毛予防をしたい人には、ケラチンが多く含まれた内服薬「パントガール」や、亜鉛など発毛に必要なミネラルが高配合されたサプリメント「ミネラルエナジー」をおすすめします。
髪の指通りを滑らかにしたりヘアスタイルを整えたりするブラッシングですが、それが髪そのものに何らかのダメージを及ぼすことはありません。ただ脱毛という観点でいうと、力を入れ雑にブラッシングをして髪を引っ張ってしまうことで「牽引性(けんいんせい)脱毛症」を招く危険性があります。髪の途中部分を手で掴んでとかすなど、頭皮に負担をかけないように丁寧でやさしいブラッシングを心がけましょう。
実は頭皮にもカビが発生することはあります。とはいえ、食品などにはえる青カビのようなものとはちがって肉眼では見えません。
頭皮が炎症する、赤みやフケが出るなどの症状が出て医療機関を受診し、顕微鏡で見たらカビがはえていた……というケースがほとんどです。
洗髪後などに髪を生乾きのまま放置しているとカビが繁殖しやすい環境になりがちですが、基本的には清潔さを保っていれば発生することは滅多にありません。
まず頭皮マッサージに関していえば、答えはイエスです。発毛効果に賛否ありましたが、毛根にとって大切な血行促進につながることから、近年では医学的根拠に基づいたエビデンスが認められています。ただし、こすりすぎなど強い摩擦を与えてしまうと頭皮へ負担をかけてしまうので、注意が必要です。
同じく発毛効果に賛否ある、ブラシでトントンと頭皮を叩くという方法。こちらの効果についてはイエスともノーともいえるでしょう。強く叩いたり頻繁にやり過ぎたりするのは、毛根にダメージを与え、発毛を阻害してしまう恐れがあるので逆効果。やさしく叩くのであれば、適度な刺激が頭皮の血行を促進し、マッサージと同じく発毛効果につながります。ブラシなど先の細いものでは刺激が強すぎるので、指の腹などでやさしくトントンしましょう。
髪をコーティングすることで手触りをよくし、滑らかさを出すシリコンですが、毛穴に詰まって炎症や脱毛を引き起こす、頭皮にダメージを与えるなどの説が流れ、すっかり悪者にされて久しいですね。しかし網目状であるシリコンが毛穴に詰まることは医学的観点からはあり得ないことです。
頭皮の炎症やフケ、脱毛に悩む人には、シリコン配合の有無よりもアミノ酸配合シャンプーを意識して選ぶことをおすすめします。植物系の界面活性剤であるアミノ酸は適度な洗浄力かつ低刺激なので、頭皮にやさしいシャンプーといえます。
いかがでしたでしょうか。医学的根拠の信憑性を欠いたさまざまな噂や情報も飛び交っているので、頭皮ケアや薄毛対策は正しい知識を身につけて行ってくださいね。