薄毛に悩む女性にとって、手軽にボリュームアップができてスタイリングしやすいウィッグは、とても魅力的に感じるのではないでしょうか。ですが、使い方によっては薄毛を進行させてしまうリスクが大きいので注意が必要です。
ウィッグには大きく分けて、ネットを被って装着するフルタイプと、ストッパーを自毛に留めるハーフタイプまたは部分タイプがあります。ウィッグが薄毛を進行させてしまう恐れがあるというのは、蒸れや汚れから細菌の繁殖や炎症を起こすなど頭皮環境を悪化させたり、ストッパーの留め方によって自毛に負担をかけたりしてしまうことです。毎日は着用しない、自毛を引っ張りながら留めないなど、工夫しながら使用するようにしましょう。
ウィッグの他に、残っている自毛に人工毛を結びつける「結毛式増毛法」があります。自毛から浮いてしまいがちなウィッグに比べ、自毛に溶け込んだ自然な仕上がりになることや、風に吹かれても不自然にめくれる心配がない、スポーツや温泉を気兼ねなく楽しめるなど、ウィッグにないメリットがたくさんあります。
けれども、残っている自毛にかかる負担はウィッグより大きいというのも事実。1本の毛に2〜6本の人工毛を結びつけるので、常に引っ張られている状態となるのです。薄毛が進んでいる頭皮はとてもデリケートで、残っている毛も弱っていることが考えられます。弱っているところへさらに負荷をかけることになるので、その負担は非常に大きなものといえるでしょう。
では、髪が引っ張られることがどのように薄毛に影響するのでしょうか。
女性に多い薄毛のひとつに「牽引性脱毛症」があります。
髪が長期間引っ張られることで、表皮のバリア機能が壊れて真皮にある毛根がダメージを受けたり、血行不良が起こったりすることで発症する脱毛症です。
昨今では、自毛に編み込んだり、特殊な接着剤で自毛と接着させたりするヘアエクステンションで、牽引性脱毛症を起こしてしまう若い女性も少なくありません。若い人の毛髪でも脱毛症を起こしてしまうくらい、髪が引っ張られるということは頭皮に深刻なダメージを与えてしまうのです。
薄毛対策は長期戦になるため、ウィッグや増毛に頼りたくなるのも無理はありません。ですが、それによって薄毛が悪化しては本末転倒です。薄毛の原因をきちんと探って医学的な治療をすることで、自分自身の髪を取り戻す喜びをぜひ味わってくださいね。